日本代表DF内田篤人(26=シャルケ)が、アジア杯オーストラリア大会への参加を回避する可能性が出てきた。27日、日本協会関係者が明かした。かねて痛めている右膝の状態が悪く、22日の帰国後は国内でリハビリしてきたが、29日から始まる国内合宿の前に招集辞退することを検討している。現在、協会スタッフが最終確認中。辞退が決まれば50人の予備登録枠から追加招集選手が選ばれる。アギーレ監督の八百長疑惑に揺れる代表に悪報が重なりそうだ。

 連覇を目指す日本で不動の右サイドバックと目されていた内田。その右膝は好調そうなプレーと反対に深刻だった。W杯ブラジル大会後の7月に右の膝蓋腱(しつがいけん)炎を発症。約2カ月の離脱を乗り越えて11月に代表復帰し、同14日のホンジュラス戦で6-0の圧勝に貢献した。ドイツ1部リーグの年内最終戦だった今月20日のハンブルガーSV戦もフル出場。だが、裏では限界に達していたのかもしれない。協会はギリギリまで判断を待つ方針だが、1カ月後の決勝(1月31日)までの長丁場は難しいと覚悟もしている。

 11月の代表期間中は、シャルケの医療チームが日本まで同行する異例の状況だった。最終的に離脱はしなかったが、ホンジュラス戦4日後のオーストラリア戦は出場しなかった。今月中旬には霜田強化担当技術委員長が渡欧。シャルケ幹部と直接会って意見交換した結果、内田の状態を最優先に、辞退という苦渋の決断を選択肢に入れたという。

 協会は既に追加招集の調整にも着手。予備登録されている右サイドバックの西(鹿島)や松原(新潟)、同登録済みでトレーニングパートナーの植田(鹿島)らが候補に挙がっている。