J2磐田はアウェーで京都を下し、11年ぶりとなる開幕連勝を飾った。前半21分、CKでFWジェイ(32)がファーにそらしたボールをDF藤田義明(32)が右足で押し込み先制。同28分には新助っ人FWアダイウトン(24)の2戦連発弾で加点した。安定した守備で完封勝ちし、名波浩監督(42)就任後、初のアウェー勝利をもぎとり、J2で初めて首位に立った。

 練習通りのセットプレーだった。前半21分。CKをニアサイドの身長190センチのFWジェイがファーにそらす。そこに走り込んだDF藤田が右足で押し込み先制した。藤田は「ジェイを信じてこぼれ球がファーに来ると走った。練習通り。慎重に蹴りました」と笑みがこぼれた。

 自身として12年8月以来のゴールだ。「去年はチャンス的に4点は取れてた」と悔やむ。今年はキャンプから蹴るインパクトを意識したシュート練習を積み、名波監督の指導も受けた。「監督からはいつも“ヘナチョコ”と言われてるんですけど」と苦笑い。試合後に指揮官から「たまたまだぞ」と突っ込まれたそうだが、練習の成果を発揮し先制点を挙げた。

 本職の守備でも存在感を発揮し、半年ぶりの完封勝利に貢献した。後半は前がかりの相手に押し込まれたが、粘りの守備で耐え切った。藤田は「マークの受け渡しの声も出ているし、スターティングポジションからいい守備ができている」と去年からの進化を口にする。

 監督就任後、初のアウェー勝利となった名波監督は「素晴らしい入りをしてくれた。選手の努力に頭が下がる思い。感謝しかない」と90分間、攻守で走りきった選手たちをねぎらった。【岩田千代巳】