都倉2発も公式戦400戦飾れず-。J2札幌は熊本に敗れ、4月1日京都戦以来8試合ぶりに黒星を喫した。後半10分までに3失点。0-3からFW都倉賢(28)が2ゴールを返し追い上げたが、勝ち点は奪えず、前節まで21位の熊本に、11試合ぶりの白星を献上した。5勝5分け3敗で勝ち点は20のまま。順位を暫定8位に落とした。

 最後まで追い上げたが、勝ち点1に届かなかった。0-3の後半30分、MF堀米の左からのパスを受けた都倉が、相手DFのマークを受けながら左足を振り抜き、ゴール左隅に突き刺した。クラブ史上初の札幌ドーム2年連続3連発で勢いづくと、同41分には、DF前貴の右クロスを頭で合わせ1点差に迫ったが、3点目は生まれなかった。

 ドーム2戦連続マルチ弾の都倉だが「2点を取れたのは良かったけど、この流れだったら引き分けに持っていきたかった。結果的に追いつけなかった」と悔やんだ。札幌移籍後、得点した試合は3日の磐田戦まで14戦12勝2分け無敗だったが、15試合目にして初の黒星。前節まで21位だった相手との対戦で“不敗神話”が途絶えてしまった。

 過密日程の最後は、後味の悪い結果になってしまった。巻き返しを図った0-2の後半10分、微妙な判定があった。熊本の右からのCKをFW巻に、体ごと押し切られ3点目を献上。GKクはキャッチ後、ゴール内に押し込まれた格好だったが判定は覆らなかった。ファウルとも取れるプレーに、バルバリッチ監督(53)は「3点目がどうやって決められたかに関してはコメントしたくない」と憤りをあらわにした。勝負を分けた3点目。結果論ではあるが、終盤に2点を返せただけに、痛い失点となった。

 8試合ぶりの黒星。連戦の疲れのある中、指揮官は前線の3人を、前節愛媛戦から2人代えたが、代わりに入ったナザリト、中原の動きが重く連係も乏しかった。指揮官は個人名は出さなかったが「敗戦の責任は私にあるが、自分のことだけ考えたのではまとまらないということを理解しなきゃいけない選手がいる」と厳しく指摘。17日群馬戦でのてこ入れを示唆した。

 守備面の連動は、今季の札幌の武器。次節までは中7日ある。この日、実戦復帰した小野らも交えた競争の中で、勝つために最適な組み合わせを探っていく。【永野高輔】