G大阪FW宇佐美貴史(23)が、得点王の座を争う川崎FのFW大久保嘉人(32)との直接対決で2桁得点一番乗りを決めた。早くも昨季に並ぶ10点目で先制したが、最後に追い付かれて引き分けた。
前へ前へ、ゴールへ向かった。宇佐美の姿に万博のサポーターは魅了された。前半43分、MF阿部のシュートのこぼれ球を右足外側で技ありのトラップ。それをドリブルで持ち込むと、最後は今季初めて左足でゴールした。3試合ぶり今季10点目、2桁得点は一番乗りだった。
「ボールがこぼれて来た時、トラップしてシュートまでイメージしていた。想像通り」。ACLや日本代表候補合宿などで疲労も蓄積し、後半途中に体の数カ所がつった。人生で初めて交代を志願し、同27分にベンチに退いた。その9分後に同点を許した。
「100(%)でボールが追えないなら出た方がいいと思った」と宇佐美。長谷川監督も「自分から言うのは珍しい」という。高1のG大阪下部組織時代、試合前でない日に39度の熱を出しても点滴を打って練習に参加した。ピッチに立ち続ける根性はあるが、白星を最優先させた勇気ある決断だった。
開幕11試合で早くも昨季に並ぶ10得点だ。得点王争いで首位を走る宇佐美は、大久保と武藤(東京)に2点差をつけたが、豊田(鳥栖)とは依然1点差。日本代表でもエースの座を争う大久保との直接対決は「気にしていなかった」と話すが「(11試合で10点は)1試合1点ペースだと1つ遅れている。悪くはない数字だと思うけれど、もっと突き詰めていきたい」。目指すところは、1年を終えてあくまで頂点に立つ事だ。
ともに1試合消化が少ない首位浦和とは勝ち点4差に開いた。3位から2位へ浮上したが、第1ステージ逆転制覇へ残り6試合となり、ここが正念場だ。強行日程も続き、中3日でACL決勝トーナメント初戦を控える。それでも「次もいい状態でピッチに立てる」というエースの顔が輝く限り、G大阪にも光りが差し続ける。【小杉舞】
▼10得点一番乗り G大阪FW宇佐美が、チーム11試合目で10得点目。チーム11試合以下での2桁得点は、06年のG大阪FWマグノ・アウベス(9戦目)以来のスピード到達。06年アウベスは最終的に26点で得点王に輝いている。13、14年と2年連続得点王の川崎FのFW大久保は、13年が14戦目、14年が15戦目、12年に得点王の広島FW佐藤は13戦目での10ゴール到達だった。シーズン最速2桁得点は、98年の磐田FW中山とC大阪MF森島でチーム7戦目。



