14年ぶりに第1ステージを負け越した鹿島が、後半戦は劇的に白星発進した。左足の第5中足骨を痛めている日本代表MF柴崎が2試合連続で欠場する逆境だったが、90分経過後の2発で大逆転勝ち。1-2の後半ロスタイム4分にMF土居が同点弾を押し込むと、その2分後に日本代表候補MF遠藤康(27)が左足で決勝点を奪った。「うまく当たらずミスキックになったけど、気持ちで押し込めた」。相手DFに当たり、球が浮いてゴールに吸い込まれた。

 敗色が極めて濃かった時間帯の2連弾に、トニーニョ・セレーゾ監督はピッチに走り込んで笛を吹かれるほど喜びを爆発させた。クールな遠藤も、いつもより力強く拳を握った。第1ステージ最終節の川崎F戦を左足内転筋の痛みで欠場。2-3で敗れ、チームが借金を抱えた瞬間を客席から柴崎と見届けた。ふがいなさを胸に2週間の中断期間で完調にし、後半開始からの途中出場で仕事をした。

 昨季はチーム最多タイの10得点。今年4月にハリルジャパンの候補合宿に初招集され「練習に対する意識が変わった」。同じく、来月の東アジア杯に出場する日本代表の予備登録メンバーにも選ばれているDF昌子が前半30分に左CKから先制するなど、代表選手の意地もピッチ上で示した。

 第1ステージは8位に沈み、柴崎も戦列を離れた。暗い雰囲気の一方で、左サイドバック山本が左太もも裏の負傷から約2カ月ぶりに復帰。後半15分からはFWダビが出場した。左膝の前十字靱帯(じんたい)と半月板損傷から、こちらは9カ月ぶりの復活だ。明るい話題も届いた16冠王者が仕切り直しの開幕星。それでも、黄金期を知る遠藤は「3-2はどうかと思う」。勝ってなお手堅さを求める姿は、後半戦の巻き返しを予感させた。【木下淳】