清水は川崎Fに競り負けた。1点を追う前半22分にFWウタカ(31)がヘディングで同点弾。今季初の2試合連続得点を奪うと、同30分には右CKから再び頭で合わせた。しかし、1点リードの後半に2失点。約5年ぶりにJリーグ復帰となった新加入FW鄭大世(31)は前線で積極的にボールを受けて攻撃陣をけん引するも無得点に終わった。チームは第2ステージ開幕から4戦勝ちなしとなった。

 清水は先制されても、果敢に攻め続けた。前半11分に失点したが、同22分にFWウタカがヘディングで同点弾。助っ人FWが今季初の2試合連続ゴールを奪うと、勢いに乗った。同30分には右CKからウタカが再び頭で合わせて逆転。その後もFW鄭が強引な突破からシュートを放つなど、何度も相手ゴールに迫った。

 約5年ぶりのJリーグ復帰となった鄭は「自分が入れば流れを引き寄せる自信はある」と、他選手を生かすプレーで攻撃をけん引。川崎F在籍時のような荒々しさは少なくなったが、前線で献身的に走り回り守備でも貢献。前半終了間際にはウタカとの絶妙なパス交換から決定機を作り、順応力の高さも見せつけた。大榎克己監督(50)は「状況を考えて声を出せる選手」と、精神的支柱としても期待し、スタメンで起用。指揮官の期待に応える活躍でチームを引っ張った。

 鄭の加入で攻撃に厚みは出た。しかし、今季の最重要課題でもある守備はまたしても崩壊した。1点リードの後半にセットプレーとカウンターから失点。チームは第2ステージ開幕から4試合で10失点を喫し、いまだ未勝利と負の連鎖を断ち切れていない。J1残留への道は厳しい。【神谷亮磨】