横浜がMIOびわこ滋賀(JFL)との中断再開試合を制し、3回戦進出を決めた。9月6日に豪雨によるピッチ状態不良のため1-1で打ち切り。後半28分16秒から再開された試合は、延長に突入。横浜が、前半5分にMFアデミウソンのゴールで均衡を破ると、同14分にもFW伊藤のシュートで突き放した。

 横浜は、延長戦前に選手、スタッフ全員で円陣を組み、士気を高めた。中断前は先制を許し、追い掛ける展開だったが、終わってみれば完勝。MIOびわこ滋賀は延長前後半の計30分でシュートを1本も打たせてもらえず、中尾監督は「思っていた以上にボールを保持され、選手もパニックを起こしていた」と話した。

 中断再開試合はJリーグでは過去に2度あったが、天皇杯では初めて。約1カ月が空いたが、メンバーはけがなど特例を除いてそのまま。会場は芝の養生期間中のため三ツ沢球技場から日産スタジアムに移された。だが、日産も養生中のため試合時間外のピッチへの立ち入りは禁止。相手にピッチで慣れさせないことも有利に働いた。DF中沢佑二(37)は「こういうゲームはサッカー人生でも初めてだが、いい経験になった」。異例の試合だったが波乱は許さず、順当にコマを進めた。