沖縄キャンプの総決算で、タレントぞろいの超攻撃型サッカーを封じ込めた。J2札幌は6日、沖縄・吉の浦公園ごさまる陸上競技場で昨季J1年間6位の川崎Fと練習試合(45分×3)を行い、1-0で勝利。1本目の9分にFW都倉賢(29)が挙げた1点を守り、4日湘南との練習試合に続いて、J1チームから白星をゲットした。1次キャンプは今日7日に打ち上げ、休養日を挟んで10日から熊本で2次合宿をスタートする。

 風速10メートルを超える北風に、打ちつける冷たい雨。悪天候のピッチで見えたのは、札幌の明るい未来だった。川崎Fの主力が出場した正念場の3本目。大半の時間、自陣に縛り付けられながらも、激しい攻撃を全員で食い止め、1本目にFW都倉が挙げた1点を必死で守った。

 元日本代表MF中村を起点とした素早いパス回しに、3年連続J1得点王FW大久保の突破力。さらには、元札幌のDF奈良、U-23日本代表のMF大島。3本目に顔ぶれをガラリと変えた川崎Fの猛攻は、すさまじかった。札幌が攻撃に転じる時間は、ほとんどない。27分、自陣ゴール前でのパスミスから迎えた大ピンチ。すかさずセンターバックのMF河合が戻って、相手オフェンスにプレッシャーをかける。この日が初実戦だった河合は「自分が思っていたよりも、体が動いた」。決定的な場面で、敵のシュートはゴール右へそれて行った。

 37分には、ドリブルで切り込んだ大久保のシュートを、GKクが横っ跳びで阻止。1本目はシュートをFKの1本に抑え、2本目では、ここまで2トップが主だったFWを、ジュリーニョの1トップにシステムチェンジして守りに徹し「1-0で残り10分という状況で、守りきれるか試したかった」(四方田監督)と無失点への執念を見せた。

 チームにとっては、沖縄キャンプ最後の試合。総決算の練習試合で、4日湘南戦に続き、2戦連続で格上となるJ1チーム相手に完封勝利は自信にしていいが、ディフェンスを統率したベテラン河合は、満足していない。「失点してもおかしくない場面は多かった。誰かがボールを取りに行ったら、誰かがカバーする。連係面を強化していくことが大切。若手には、もっとミスを恐れずプレーして欲しい」。厳しい言葉は、明日につながる。【中島宙恵】