なでしこリーグのアルビレックス新潟レディースの新主将にDF中村楓(24)が就任した。なでしこジャパンのメンバーで、前主将MF上尾野辺めぐみ(29)から引き継いだ。新チームが始動する中、自身も、リオデジャネイロ五輪アジア予選のメンバー選考にかかわる、なでしこジャパンの国内トレーニングキャンプ(13~19日・沖縄)のメンバーに選出されている。上尾野辺に代わる大黒柱として、今季の新潟レディースをけん引する。

 気温5度の冷たい空気に、雪が残るピッチ。中村は淡々としながらも鋭い指示を飛ばす。

 11日、新潟市鳥屋野球技場で行われた中学男子の新潟アカデミージュニアユースとの練習試合。新潟レディースは10-2と大勝。中村は1、2本目合計70分間プレーした。センターバックに入り、的確に相手のボールを奪う。前線にスペースがあると、鋭いロングパスを供給する。

 今季から指揮を執る辛島啓珠(けいじゅ)新監督(44)に、主将に指名された。「『え?』という感じ。聞き間違いかと思った」。主将経験は、盛岡ゼブラレディースに所属していた厨川中(岩手)3年時以来。驚きを隠せなかった。「まず自分のことをしっかりやる」と、足元を見つめながら進んでいく覚悟だ。

 あす13日からの合宿は、リオ五輪予選メンバーの選考過程。13年の親善試合ナイジェリア代表戦でもなでしこジャパン入りした。「いい経験をしたい」と意欲は十分。なでしこ候補、新潟レディース主将。その重みを励みに代えて新しいシーズンに備える。【斎藤慎一郎】

 ◆中村楓(なかむら・かえで)1991年(平3)8月3日、岩手県生まれ。常盤木学園(宮城)から10年に新潟レディースに入団。その年、U-20日本女子代表候補に。昨季はリーグ戦12試合に出場。165センチ、56キロ。