四方田札幌が00年岡田札幌の快進撃を再現する。J2札幌は今日28日、開幕東京V戦(味の素スタジアム)に臨む。今季は2月に開幕を前倒しした影響で開幕2戦は敵地での戦いとなる。初の開幕戦となる四方田修平監督(42)は「開幕2戦で2勝して札幌に戻るのが最高の形」と意気込んだ。師匠の岡田武史氏(59)が指揮し、J1昇格を果たした00年以来16年ぶりの敵地連勝発進で、勢いをつける。

 16年前、アシスタントコーチとして支えた伝説の進撃を、今度は指揮官となり実現させる。四方田監督は27日の前日調整を終え「特に願掛けはしないですね。選手を信じているし、日頃の行いが良ければ、それが結果に表れる。普通の試合前日の心境」と、すっきりした表情で話した。

 昨季から主力が残る今季は、沖縄1次合宿序盤で、チームコンセプト注入を、ほぼ済ませた。2月からの実戦は「1-0から逃げ切る」「守りながら追加点を取りに行く」「負けている状況から追いつく」と、シチュエーションを設定し、それに応じた対応に時間を割いてきた。

 「あとは公式戦の中で、どれだけ実践できるか」。昨年11月14日水戸戦、先制しながら守りきれず、後半に逆転負けを喫しプレーオフ進出が消えた。「悪いながら変えようとしたけど追いつかれ、相手の勢いを逆に押し返せなかったのが、悔いが残る。それができるためのチーム力、やり方を考えていかないといけない」。途中就任で果たせなかった昨季12戦を徹底分析し、足りなかった試合運びの部分を、時間をかけて詰めてきた。

 42日間のキャンプを振り返り、四方田監督は、こう言った。「やるべきことは、予定通りにきた」。札幌が前回、開幕から敵地2連戦2連勝した00年は、2戦7発無失点の好発進で勢いに乗り、J1昇格につなげた。「最初の1歩が1勝というのは選手にも自信になる。まずは開幕戦に集中したい」。昨季の土台を生かし、不足したピースを緻密に組み合わせ補強した四方田札幌が、J1への1歩を踏み出す。【永野高輔】

 ◆札幌の開幕敵地2連戦2連勝 97、00年の2度だけ。97年(JFL)は4月20日第1節2-0水戸(笠松)、同27日第2節3-0ジヤトコ(愛鷹)。00年(J2)は3月12日第1節4-0鳥栖(鳥栖)、同20日の第2節3-0甲府(小瀬)。いずれもリーグ制覇でJ1(97年はJリーグ)昇格を果たした。01年も開幕から道外連戦2連勝スタートしているが、こちらは3月17日の高知での第2節柏戦(2-1)が、ホーム扱いだった。