「吉田アルビ」が好スタートを切った。新潟は湘南を2-1で破り、2年ぶりの開幕戦勝利を飾った。前半28分、FWラファエル・シルバ(23)が先制点。後半31分には途中出場のMF伊藤優汰(23)が追加点を挙げて逃げ切った。ルーキーのDF早川史哉(22)がフル出場するなど、フレッシュな戦力の台頭がチームの勢いを示していた。新潟は次節(3月5日)、アウェーで神戸と対戦する。

 試合後、3500人の新潟サポーターで埋まったアウェー側スタンドの前で、新潟の選手が整列した。そしてサポーターとともにバンザイを繰り返した。「会場に到着したら、オレンジの軍団が見えた。サポーターが雰囲気をつくってくれた」。吉田達磨監督(41)はサポーターに白星を届けられたことを喜んだ。

 会心のゴールがチームを勢いづけた。先制点は前半28分のFWラファエル・シルバ。左サイドを突破したDFコルテースの速いクロスに飛び込んだ。「練習してきた形。コルテースがゴールに近づいた時、クロスが来ると思った」。これで昨季の鳥栖戦に続いて、2年連続の開幕ゴール。「チームに貢献できた」と素直に喜んだ。

 結果的に決勝点はMF伊藤のゴールだった。後半28分、FW山崎亮平(26)に代わってピッチに入った。その3分後、MF加藤大(24)からパスを受けるとドリブルで中央を突破。左足でゴールマウスに押しこんだ。「GKと1対1だった。シュートは少し弱いかと思った」。今季京都から移籍。これがJ1デビューだった。いきなりの初得点に「最後の仕掛けが自分の持ち味。これからも続けていく」とさらに気持ちを高めた。

 「押しこまれる時間帯でも声を掛け合って守ることができた。それがチャンスにつながった」。MF小林裕紀主将(27)は一体感を勝因に挙げた。立ち上がりの15分間は自陣に押しこまれる場面が目立った。この間、湘南にペナルティーエリア内で3本のシュートを打たれた。そこで声を掛け合ってピンチをしのいだ。

 1月中旬から高知、タイ、静岡と3度キャンプを行った。選手同士が練習中から自主的に話し合う雰囲気ができた。開幕戦の盛り上がりの中、培ってきたものをベースに戦った。「今日は素晴らしい試合だった。これを続けていくことが大切」。MFレオ・シルバ(30)が言うように最高のスタートを開幕ダッシュにつなげる。【斎藤慎一郎】