進撃の58歳だ。J2山形の石崎信弘監督が14日、58歳の誕生日を迎え、天童市内のクラブハウスで報道陣からバースデーケーキをプレゼントされた。J2降格の憂き目に遭った昨年を思い出し「57の時なかなか勝てなかった。58で勝ち星をたくさん取っていきたい」と、勝利量産を宣言した。

 まだまだ元気だ。報道陣に「勝ち点も58ですか?」と問われると「58じゃ足らんじゃろ」と、故郷の広島弁を使い、大声で一喝した。昨年J2を優勝した大宮の勝ち点は86、プレーオフボーダーライン6位長崎は同60。今季は年齢以上の勝ち点を積み重ねることを心に決めている。

 MFアルセウとアルセウの夫人からも黒いチョコレートケーキが贈られた。報道陣のと、2つのケーキを並べる気遣いを見せ「65歳までやるよ。年金をもらえるまでな」。58歳の誓い? はあと7年は監督を続けて年金生活…。石崎節で老後の設計までしてみせた。

 開幕3試合は2分け1敗と苦しいスタートとなった。58歳最初の試合、20日のC大阪戦はホーム開幕戦。DF渡辺は「昨日勝って誕生日プレゼントにしたかったけど、ねじを締めていきたい」と、無失点で今季1勝を贈る決意だ。

 「おいしいです」と言ってケーキをほおばったJ1、J2計249勝の名将は「向上心を持ってやっていきたい。さらなる上を目指していきたい」と監督としてのポリシーまで披露。ケーキを食べて景気(ケーキ)良く。反撃開始だ。【久野朗】