仙台レディースが、開幕3試合目で初めて得点を許さず、ホームで千葉に3-0と快勝した。課題とされたDFとボランチの連係が向上した。なでしこジャパンMF川村優理(26)が前半11分に先制し、2試合連続ゴール。仙台や会場の角田市の満開の桜に合わせるような好内容で、2勝1敗の勝ち点を6に伸ばした。順位を6位から4位に上げた。

 開幕2試合連続2失点の内容を吹き飛ばした。仙台Lの守備陣がついに無失点。千葉泰伸監督(44)が喜んだ。「ゼロに抑えられたのが本当に大きい」。新潟から加入したセンターバック(CB)北原佳奈(27)も胸を張った。「DFラインとして自信になる」。

 2試合とも先制され、焦りからDFとボランチのバランスが崩れた。その間にできたスペースを突かれ、失点の原因になった。この日は川村が攻め上がった時、もう1人のボランチ岸川奈津希(24)が黒子役になって守備に専念。北原らCBは、強いプレッシャーでFWを抑えた。

 川村は「自分たちはセカンドボールを拾えていた。そこが前節、前々節と違う」と言った。ボランチがそのボールを拾えるからこそ攻撃阻止につながった。千葉のエースFW菅沢優衣香(25)は、シュート1本しか打てなかった。千葉監督は「ブロックするのか、前でボールを奪いに行くのか、今日はうまく判断してくれた」と、守備陣の状況判断も高く評価した。

 昨年の36失点はリーグ6位。北原、浦和から岸川らを獲得して守備陣を強化した。だがメンバーが入れ替わり、開幕2試合は連係面に不安を残した。3試合目でようやく結果を出し、北原は「(連係は)少しずつ良くなってきている」と手応えをつかんでいた。

 後半停滞していた攻撃も、途中出場のFW浜田遥(23)とMF安本紗和子(25)が終盤にゴールして突き放した。前線の控え層の厚さも示し、2試合1勝1敗と五分咲きだった仙台Lの桜が、ようやく満開を迎えた。【久野朗】