仙台は9日、仙台レディース(L)と合同で宮城・山元町を訪れ復興支援活動を行った。トップチームは8日のリーグ戦に出場した主力選手、仙台LからはMF西川と佐々木美が参加。シーズン中にトップチームとレディースがそろって活動するのは初めて。東日本大震災で津波被害を受けた同町に立つ慰霊塔「千年塔」で黙とうと献花を行い、中浜小跡地を見学。活動の一環でいちご狩りも楽しんだ。

 海岸から約300メートル。県道38号沿いにぽつんと残る「奇跡の小学校」に初めて足を運んだ。校舎2階まで波が押し寄せたが、児童と教職員らは3階屋上へ避難し全員が無事だった。しかし、街はなくなり、今は復興作業を進めるダンプばかりが道路を走っている。

 シーズン前に訪れた石巻・大川小跡地に続き今年2回目の被災地訪問。選手らは津波にさらされても残った校舎を、じっと見つめていた。DF蜂須賀は「心が痛みます。僕らは復興のシンボルとして戦うと決めている。サッカーで活力を与えられるよう最後の1分1秒まで走り切るようなプレーを。宮城のチームとして全員が責任感を持って戦っていかないといけない」と決意を新たにしていた。

 山元町は東北有数のいちごの産地。震災で130軒あったいちご農家はほぼ壊滅したが、5年たった今年、再び大きな実をつけるまでに復活した。いちご狩りで笑顔を咲かせた佐々木美は「こういった活動で被災地の方々と、トップチームと関わりが深くなるのはうれしい。クラブとして継続して互いに応援し合い、支え合えたらいいなと思います」と話した。