新潟は1-0で浦和を破り2試合ぶりの勝ち点3を挙げ、ホーム戦2連勝とした。勝ち点15で順位は5位のまま。前半9分、FW上尾野辺めぐみ(30)の今季2得点目で先制し、逃げ切った。上尾野辺は、高倉麻子監督(48)が率いる新生なでしこジャパンの6月の米国遠征メンバーには選ばれなかったものの、健在ぶりを見せつけた。

 チャンスを逃さなかった。FW上尾野辺は大黒柱らしく勝負強さを見せつけた。前半9分、MF山田頌子(25)のパスに合わせ、左サイドからペナルティーエリア内へ。体勢を整えながら左足で放ったシュートは、右ポストに当たりながらもゴールマウスに収まった。

 「(ポストに当たって)まずいかなと思った」と苦笑い。シュートに持ち込む判断は的確だった。「頌子がいい形でボールを奪ったので、スペースに走ればパスが出てくる」。山田が左サイドで相手からボールを奪った瞬間、すぐに狙える位置に動いた。

 自らのゴールは第8節コノミヤ戦(8日)以来、2試合ぶりで今季2得点目。同戦と同じく決勝点になった。第7節日テレ戦(3日)に続くホーム2連勝もたぐり寄せた。新潟は5月に入って3勝1分けと負け知らず。そのうち2勝が上尾野辺の得点で決まったものだ。

 今季は、これまでの中盤ではなくFWでプレーする機会が多い。「上尾野辺が前線にいると相手の脅威になる」。辛島啓珠(けいじゅ)監督(44)は狙いを話す。「前にいると得点に絡みやすい。今は攻撃重視」。上尾野辺もプレーが勝利に直結する立場を自覚する。

 11、15年のW杯経験者。なでしこジャパンの常連だった。20日に発表された、高倉監督の下で戦う米国遠征メンバーには選ばれなかった。「世代交代はあるでしょう。気にしていません」。ただ、あきらめたわけではない。「新潟で結果を出し続けることが次につながる」。なでしこ復帰を見据え、淡々と実力を示してみせた。【斎藤慎一郎】