過酷な日程よりも「カテナチオ」が難敵だった。試合終了の瞬間。鳥栖の選手がピッチに倒れ込む一方で、浦和の選手たちはただぼう然と立ち尽くした。MF柏木は「疲労は関係ない。実際、ほとんどミスなくプレーできた。ただ、うまく守られた」と振り返った。

 25日にはACL決勝トーナメント1回戦でFCソウルと対戦。優勝候補と目されるクラブ同士の一戦で、120分、そしてキッカー8人目に及ぶPK戦の末に敗れた。大きな失意も、中3日で回復しきれない疲労もある。それでも浦和の選手たちは序盤から、いつも以上に攻守の切り替えの意識高くプレーした。

 敵陣でボールを強奪する場面も続いた。ボール支配率68%。CKも7対1と常に相手を押し込み続けた。ペトロビッチ監督は「この状況でこれだけ戦えたのは収穫。第1ステージ終了時にはトップに立っていると確信した」とまで言った。

 だが鳥栖は0-0の状況でも、早い時間帯から時間稼ぎを徹底するなど、ホームだが完全に引き分け狙いに来た。運営スタッフがリスタート時にすぐにボールを渡さないなど、選手たちには「方針」が徹底されているようにも見えたという。DF槙野は「だからこそ、点を取って勝ちたかった。雨の中、見に来てくれている観客のみなさんに申し訳ない」と話した。【塩畑大輔】