B組の仙台レディースが、大黒柱不在をはねのけて、ホームで逆転発進した。1点を追う後半4分、同8分にDF坂井優紀(27)が同点、勝ち越しと立て続けにゴール。なでしこジャパンの米国遠征に参加するMF川村優理(27)抜きで、長野を2-1と退けた。3年ぶりの開催となったリーグ杯開幕戦で、きっちり勝ち点3を獲得。次節は試合がなく、第3節の19日にアウェーで岡山湯郷と対戦する。

 大きな穴とは言わせない。ボランチで大黒柱・川村と、なでしこジャパンに初めて選ばれたDF佐々木繭(23)がいなくても、仙台Lは勝ち切った。千葉泰伸監督(45)は言う。「2人が抜けたとしても、力は落ちない自信がある。僕も選手もそう思っている」。

 その言葉を示したのが、劣勢の後半だった。坂井が4分にCKを頭で合わせて同点。同8分には、CKからのこぼれ球を左足で押し込んだ。わずか4分間の逆転劇。「繭と(川村)優理がいなくても、自信を持ってやらないと」。勝利の立役者は、千葉監督と同じ思いでピッチに立っていた。

 昨年のリーグ戦で年間2位の好成績を残し、今年は初タイトル獲得が明確な目標になった。1つの鍵となったのは、けが人や代表に選出された主力が抜けた一戦。2月の始動から千葉監督は選手に複数のポジションを試し、控え層の底上げも図ってきた。

 CKは川村が得点に絡む試合が多かったが、プレースキッカーのMF中野真奈美(29)は「セットプレーで、川村がいなくてもできるのがベガルタの強み」と胸を張る。総合力の高さで、勝利に結び付けた。

 第3節には川村も佐々木繭も戻って来る。千葉監督は「波に乗ろうというところでつまずいている」と、リーグ戦4位の現状を分析して、気を引き締めた。今季4つの黒星はすべてアウェー戦。坂井は「そこはしっかり気持ちを切り替えたい」と言った。次節の岡山湯郷戦は今後への大きな指針になる。【久野朗】