第1ステージ優勝を狙う3位浦和がG大阪に0-1で敗れ、痛い連敗で苦境に立った。前節鹿島戦から先発5人を入れ替えて臨んだが、早々に失点。後半は主力を入れて決定機もつくったが、ものにできなかった。リーグ戦4試合連続無得点は11年9~10月以来、5シーズンぶり。試合がなかった首位川崎Fとの勝ち点差7は変わらず、残り3試合での逆転の可能性は数字上残るが、現実的には非常に厳しくなった。

 1点が遠い。選手も、ペトロビッチ監督も「またゴールが挙げられなかった」と口をそろえた。4試合連続無得点。残留争いに巻き込まれていた11年10~11月の5試合連続無得点以来となるゴール欠乏症だ。

 先制を許したことで、相手に守備を固められた。途中出場のFW興梠は「ベンチで見ていた時よりも、出た時間帯はスペースがなくなっていた」と言う。後半はボールを支配し攻め続けたが、ゴールエリア内に数人が入って守るG大阪を、最後まで崩せなかった。

 攻守の速い切り替えから、ボール再奪取を繰り返して相手を押し込む「ミシャ・プレス」にも、ほころびが見えた。前半8分。こぼれ球を拾ったG大阪MF遠藤に、浦和DF遠藤が素早く寄せたが、ダイレクトの縦パスで後方を突かれた。

 好調時なら、他の選手が遠藤の後方をカバーしていた。それが積極的に前に出て、ボールを奪う「攻撃的守備」を可能にしていた。しかしこの時は枚数が足らず、カウンター攻撃を食い止められずに失点した。

 個々の位置取りのズレはわずか。しかし結果として失点につながった。同監督は「連戦やACLの疲れもある。攻撃でも守備でも1歩遅い」と振り返った。

 鹿島戦に続く連敗で、第1ステージ優勝は絶望的。しかしそれ以上に、年間優勝を目指す上で、この状況を立て直す必要がある。MF阿部は「いい時と比べ、1つ1つのプレーに何が足りないのか。しっかり見つめ直したい」と原点回帰の必要性を説いた。【塩畑大輔】