J2清水は後半戦を白星で発進した。ホームの声援を背に、4-0で熊本に完勝した。前節までリーグトップ37得点の攻撃力を前半から発揮し、流れを掌握。完全に主導権を握ると、乗りに乗っているMF白崎凌兵(23)が同27分、均衡を破った。

 右サイドからFW鄭大世(32)からパスを受け、DFを背負いながらのターン。ワントラップで相手を置き去りにし、右足でゴール左隅に流し込んだ。今季5得点目で4つ目の先制点。「毎試合ゴールを狙う」と宣言していた清水の切り込み役は、富山に期限付き移籍していた13年以来3季ぶりの3戦連発を達成し、チームに勢いを与えた。

 同41分には鄭がエリア内で倒され、PKを獲得。冷静に右隅に決めた。これまでPKのキッカーはFW大前元紀(26)だったが、肋骨(ろっこつ)骨折で全治3カ月の重傷。エースの離脱後、鄭は普段の練習からPKを黙々と打ち込み、その日に備えていた。

 2点リードの後半19分には途中出場のFW北川航也(19)がチーム3点目。さらに、同36分には右クロスを押し込み、プロ初の1試合2得点を達成し、大勝劇を締めくくった。

 これでチームは8戦負けなし。小林伸二監督(55)は「ボールがよく回っていい形でゴールが取れた」と手応えを口にした。前半戦の21試合は9勝7分け5敗で6位と苦戦したが、チームは完全に自信を取り戻してきた。上位進出へ。ここからギアを上げていく。【神谷亮磨】