ベガルタ仙台は1日、ホームで川崎フロンターレと対戦し、0-2で敗れた。昨季上位陣とのリーグ戦3連戦は黒星発進となった。前半27分に左サイドを崩され先制を許すと、後半37分にも同じく左サイドから失点。主力を含む負傷者が11人もいた川崎Fに計17本のシュートを浴び、今季2回目の完封負け。渡辺晋監督(43)は「川崎Fとのクオリティーの差を感じた」と認めた。

 同監督は「前半の攻守において弱気になっていた。(前節の)柏戦は近くで守れていたが、少し離れていた」と詰めの甘さを指摘した。MFハイネルやFW小林を中心に敵陣で素早い攻撃を仕掛ける相手に対し、反応が遅れた。DF石川直樹(31)は「自由に前線の選手にやられてしまった」となげいた。シュート5本では反撃も厳しい。MF奥埜博亮(27)は「ゴール近くでボールを回す回数を増やさないと、点が取れない」と語った。

 次節(7日)浦和戦を前に、実力差を見せつけられた形だが、わずかな光明もあった。後半途中出場したFWクリスラン(25)の存在感だ。ロスタイムに186センチの高さを生かしてDF永戸勝也(22)からのクロスを頭で合わせたシュートは、可能性を感じる一撃だった。DF平岡康裕(30)は「高さとバネがあるので、アバウトなボールを入れても大丈夫。ヘディングは強い」と期待した。クリスランは「万全の準備をしていきたい。下を向いている暇はない」とすでに戦闘モード。今季浦和から移籍で加入したFW石原直樹(32)が契約上、同戦に出場できないためクリスランの先発1トップが濃厚だ。ベールに包まれた新戦力FWが、チームの危機を救ってみせる。【秋吉裕介】