またしても今季初勝利はならなかった。アルビレックス新潟はガンバ大阪に2-3の逆転負けを喫した。0-1の前半17分、FWホニ(21)が倒されて獲得したPKを、MF山崎亮平(28)が決めて同点。後半10分にはホニの2試合連続ゴールで今季初めて勝ち越しに成功したが、セットプレー絡みで2失点を失い逆転を許した。これで開幕から5試合未勝利。次節は8日、鳥栖とアウェーのベストアメニティスタジアムで対戦する。

 守り切れなかった。後半の失点が、新潟から勝ち点3を遠ざけた。2-2の後半40分、G大阪のコーナーキック(CK)の流れからゴール前で混戦になる。新潟の選手が複数で体を張って防ぎにいくが、中央にボールがこぼれ出た。それをG大阪MF井手口陽介(20)に拾われた。井手口の隙間を縫うようなシュートにGK大谷幸輝(27)が懸命に飛びつくが、ボールはネットを揺らす。

 「リードしてから守備の時間が長くなってしまった」。DF大野和成主将(27)は、主導権をつかみ切れなかったことを悔やんだ。2-1から追いつかれた失点もセットプレーから。後半31分、右サイドのフリーキックからヘディングを許した。

 G大阪は昨季、セットプレーで16得点している。新潟は、この試合前まで6失点中3失点がセットプレーの流れから。「警戒していたのにやられた。徹底できなかった私の責任」と、三浦文丈監督(46)の表情は険しい。大野は「セットプレーは個人のマークの責任」と、それぞれの意識の持ち方を反省した。

 粘り強さは見せた。前半9分に先制されたが、その8分後に追いつく。ペナルティーエリアに進入したホニが倒され、PKを獲得。それを山崎が冷静に決めて追いついた。後半10分には相手ボールを奪ったFWチアゴ・ガリャルド(27)の縦パスに、ホニが抜け出して2点目。カウンターから攻め切る狙い通りの形で、今季初めてリードする展開に持ち込んだ。

 それだけに、失点がもったいなかった。「セットプレーもそうだが、ボールに寄せるのではなく、奪い取る守備をしなければ」。MF小泉慶(21)は球際の強さがもっと必要と感じている。泥くさく、粘り強く。そんな新潟らしさを今以上に発揮することが、初勝利への近道かもしれない。【斎藤慎一郎】