U-20日本代表候補のFC東京ユースFW久保建英(15)が高校生初ゴールを決めた。清水エスパルス・ユースとの今季開幕戦の前半25分。自ら得た中央左寄り、ペナルティーエリアわずか外から左足で蹴ったFKは、6人の壁の頭上を越え、ゴール右隅に吸い込まれた。ボールがネットを揺らすのを見届けると、メインスタンドに向かって左手でガッツポーズをつくりながらジャンプ。着地と同時に仁王立ちする、ポルトガル代表FWのCロナルドをほうふつとさせるポーズを決めた。

 高校生となってから公式戦は、東京U-23の一員として出場した2日のJ3鹿児島戦に続き2試合目。攻守に動き回り、随所で600人の観衆を沸かせるプレーを披露した。1-1の同点に追いつく久保のプレミアリーグ通算4点目で東京U-18は息を吹き返したが、最後は後半ロスタイムの失点で2-3で敗れた。試合直後には審判に異議を唱えて警告を受ける、負けん気の強さものぞかせた。

 佐藤監督は、久保のFKを振り返り「質の高い、ゴールのにおいのするキックをする。筋力が上がり、ボールのスピードも狙える距離も伸びている」と、敗戦にも久保の技術の高さに舌を巻いた。高校生年代のプレミアリーグはもちろん、J3、U-20日本代表と、世代を超えた活躍を予感させる高校生デビューとなった。【高田文太】