3月30日に一般女性(25)と結婚した金子は、笑顔で左手の薬指にキスをして掲げるパフォーマンスを披露した。2万ゴールについては「メモリアルなので興味はある」と淡々と話していたが、大事な場面でJリーグ史に残る1発を決めた。

 チームとしては課題をしっかり修正した。前節大宮戦(16日・1-1)では相手に積極的にプレスをかけすぎ、全体のバランスを崩した。今週の練習中に選手同士で話し合い「少し(プレスの)位置を下げて、ブロックを固めたい」。前線からの献身的な守備が持ち味の金子もしっかり我慢し、チームに貢献した。

 金子は昨年11月20日、J2最終節の徳島戦でチームのJ1復帰を決める「昇格弾」も飾っている。文字通り、「持っている男」になったが、その後に清水は2失点した。

 だが、後半33分から金子に代わって入ったチアゴが、大仕事をやってのけた。右サイドでボールを受けると、鋭く中に切り込んで左足でシュート。鮮やかにゴール右下に同点弾を決めた。移籍後、リーグ出場2試合目で初得点。ベンチから選手たちが飛び出して喜ぶ最中に試合が終了した。

 チアゴ 最後まであきらめなかった。これからもっと点を取りたい。

 小林監督のJ1とJ2通算200勝は持ち越しとなったが、前節大宮戦に続き追いついての引き分け。今後につながる勝ち点1をアウェーで獲得し、金子もチームメートと笑顔で2万弾の記念写真に納まった。【保坂恭子】