サンフレッチェ広島MF柴崎が試合終了間際に起死回生の同点弾を決めて、引き分けに終わった。

 最初に試合を動かしたのは、前半から主導権を握っていた広島だった。0-0で迎えた後半9分、右サイドからのクロスをゴール前で受けた柴崎ががっちりキープして、後方から走り込んできた柏にパス。MF柏は冷静に右足で振り抜いて今季初ゴールを決めた。さらに同15分だった。またも右サイドからMFロペスが強烈なシュートを放った。ベガルタ仙台DFに1度はゴールライン手前で防がれたが、こぼれ球をFW工藤が右足で押し込み、貴重な2点目を挙げた。

 だが、ここから仙台が底力を発揮した。同23分、MF三田からのクロスを、途中出場のMF梁が右足でうまく合わせて1点を返す。同28分、三田が直接FKを決めて同点。そして同31分、試合を決めるのにふさわしい2人が輝いた。この日が32歳の誕生日のDF増嶋がペナルティーエリアの左から放ったクロスに、14年まで広島に在籍していたFW石原が反応。ヘッドでたたき込んで逆転に成功した。ここまでリーグ戦総得点がわずか4点だったチームが、たった8分で3得点を奪った。

 仙台が敵地で鮮やかな攻撃を見せたが、広島が意地を見せた。ロスタイム4分、右サイドのクロスを起点に、最後は柴崎が同点弾を決めた。両者が勝ち点を分け合い、壮絶な試合の幕が閉じた。