F組首位の浦和レッズがウェスタンシドニー(オーストラリア)を6-1で下し、1試合を残して2年連続のベスト16進出を決めた。前半14分にMF関根貴大(22)の公式戦2戦連発で先制すると、4日前のリーグ戦から先発5人を入れ替える温存策を取りながらも、クラブのACL最多得点記録となる6発で大勝した。5月10日の最終節FCソウル(韓国)戦で勝てば、1次リーグの1位突破が決まる。

 引き分けでも1次リーグ突破の浦和が、6発大勝で強さを見せつけた。ゴールラッシュの口火を切ったのは22歳の関根だった。本職は右サイドだが、今季2度目の左サイドの位置で先発出場。前半14分、MF武藤の折り返しを左サイドで受けると、迷わず右足を振りぬいた。22日のリーグ札幌戦に続く公式戦2戦連発弾に「左で結果を残せて自信につながった。(日本ハムの)大谷選手みたいに二刀流を目指します」と笑みをこぼした。

 若手の躍動にベテランもだまっていない。先制の4分後には33歳のFWズラタン。同43分には31歳のMF李がネットを揺らし前半だけで3得点。後半も途中出場のFW興梠、FWラファエル・シルバが次々とネットに突き刺した。札幌戦から先発5人を入れ替えても破壊力を維持。ACLではクラブ最多の6得点で1次リーグ突破を決めた。

 今季の浦和はリーグ戦の1試合平均得点が3得点、ACLも3・6得点と脅威的な攻撃力を発揮している。関根が「おもしろいぐらい点が取れるから、やっていて楽しい。うちが強いのか、相手が弱いのか分からなくなってきちゃう」とおどけるほど。出場選手が確実に結果を残す中で、特に前線はポジション争いも激烈だ。1得点1アシストの李は、札幌戦では出番がなかっただけに、このチャンスに燃えていた。「シーズン前から、前の選手はのった選手が試合に出られると言ってきたけど、みんなのっている中で、一番のったのがラファ(ラファエル・シルバ)だった…。すごいチームですよ」と定位置争いに再び闘志を燃やす。

 リーグ戦で首位を走るが、並行するACLでも横綱相撲。1次リーグ突破も選手たちに慢心はない。関根は「浦和が目指すのはもっと上。1位突破するためにも次も勝たないと」と気を引き締めた。【岩田千代巳】

 ▼浦和のACL得点記録 1試合6得点は、今大会の2月28日、1次リーグFCソウル戦(埼玉)で記録した5-2を上回るクラブ新記録。5点差以上での勝利も初。日本勢のACL1試合最多得点記録は、06年3月22日の1次リーグ・ダナン(ベトナム)戦でG大阪がマークした15-0。