ジュビロ磐田はホームで北海道コンサドーレ札幌に2-2で引き分けた。2点をリードされた後半、FW川又堅碁(27)の2試合連続ゴール、MF上田康太(30)の直接FK弾で同点に追いついた。2012年以来のリーグ3連勝は逃したが、大黒柱のMF中村俊輔(38)が負傷欠場した中で、大きな勝ち点1を積み上げた。

 意地の2発だった。後半15分、川又が中央から左サイドに流れてMF川辺駿(21)のスルーパスを受けた。素早く体を反転させてボールを利き足の左側に。冷静に放ったシュートは、GKの足元を抜いた。

 ムードメーカーの2戦連発で、ヤマハスタジムの雰囲気が変わった。同20分には、途中出場のMF上田康太(30)が、鮮やかな同点弾を決めた。約27メートル、左サイドから放ったFKは、壁の外側に当たった後に緩やかなカーブを描き、ゴール左上に吸い込まれた。「速くて良いボールを蹴れば入ると思いました。(引き分けに)貢献できて良かった」。今季リーグ2試合目の出場で、FK名人の中村俊に負けないインパクトを残した。瞬間、スタンドの中村俊もテーブルをたたいて喜びを表現した。

 この日、腰痛の中村俊を含めて主力4人が不在だった。前半6分にはMF山本康裕(27)も負傷退場。その中で勝ち点1をつかんだ。それでも、川又は「誰が出ても結果を出さなければいけない。ふがいない試合だった」と言い、DF高橋祥平(25)も「(名波浩監督に)言われてやるようではダメ」と、2失点の前半を反省した。言葉通り、エンジンがかかったのは、指揮官からげきを飛ばされた後半からだった。

 今後は3日のルヴァン杯柏戦を挟み、7日にアウェーで甲府と対戦する。川辺は「負けなかったことは良かった。次に勝てば上位にも食らい付いていける」と言った。負けずに反省したことを次の勝ち点3につなげたい。【前田和哉】