清水エスパルスが、今季ホーム初勝利をあと1歩で逃した。サガン鳥栖を相手に前半23分、FWチアゴ・アウベス(24)の2試合連続ゴールで先制。

 追加点が奪えぬまま、後半ロスタイムに失点して1-1。公式戦8戦勝ちなしとなった。磐田はホームで川崎Fに0-2で敗れた。

 残り2分。手中に収めかけていた白星が、スルリと逃げた。低い左クロスにDF3人が対応しきれず、最後はフリーで鳥栖MF水野晃樹(31=清水商出)に決められた。守備陣はショックで寝そべり、頭を抱えた。気を取り直して全員で攻め上がったが、ネットを揺らせぬまま試合終了の笛が鳴った。

 またホームで勝てなかった。15年シーズンから連続で、J1ではホーム15戦未勝利(今季2分け3敗)と「勝ちロコ」から遠ざかっている。小林伸二監督(56)は「逃げ切れなかった。1勝することは厳しいと学んでいる」と振り返った。

 前半23分、チアゴのパスを受けたFW鄭大世(33)が、接触プレーで倒された。こぼれ球をチアゴが左足で打ち抜き、ゴール右隅にズドン。ワールドクラスの超高速弾で、アイスタは大いに沸いた。後半17分には、鄭が相手DFの足元からボールを奪い、GKと1対1になったが、好セーブに阻まれた。結果的にこのチャンスに追加点が奪えなかったことが惜しまれ、主将の鄭は反省しきりだった。「決めきれれば勝てた。仲間に申し訳ない。2年前に比べ戦えるチームにはなっているけど、勝ちきれるチームになれていない」。

 前節G大阪戦(5日・1-1)で右足首を捻挫したDF松原后(20)はこの日午前に、強行出場を決断した。何重ものテーピングと痛み止めの薬を飲んでフル出場したが、勝利につながらず「ダメな試合だった。1点だけだとJ1では厳しい。もっと味方で連動しないといけない」。主力のDF犬飼智也(24)が左ひざを痛め、負傷退場するなどアクシデントもあった。公式戦では8戦、リーグでは5戦勝ちなし。ホームの呪縛が解けぬまま、20日の次節アウェー浦和戦に臨む。【保坂恭子】