アビスパ福岡MF城後寿(31)が、開幕から14試合で待望の初ゴールを決めた。

 2点をリードした後半30分に途中出場すると、同42分にMF駒野友一の右クロスを頭で押し込んだ。その直後、城後はサポーターが待つゴール裏スタンドに直行し、サポーターに抱きつき、もみくちゃにされた。J1で戦った16年10月29日の広島戦以降、ゴールから遠ざかっており「練習やファンサービスの時に『早くゴールを決めて、サポーターのところに来てほしい』という要望が、ずっとあった」という。「去年は出来なかったんですけど、シチュエーションがそろった中で出来て、僕もうれしかった」と喜んだ。

 長崎・国見高から05年に入団後、福岡一筋で、サポーターから「キング」と呼ばれる城後だが、今季の出場は湘南ベルマーレ戦を入れても8試合、先発は3月19日のロアッソ熊本戦の1試合にとどまっていた。京都サンガから元日本代表MF山瀬功治が加入し、ヴィッセル神戸からはFW石津大介が復帰と、攻撃陣の陣容が増す中、故障にも苦しんだ。

 試合後、城後はあらためてゴール裏にあいさつに行った。拡声器を持つと「ここからが、僕の開幕のようなものです」などとサポーターにあいさつした。「喜んでくださった方が、たくさんいた。そういう方のために、僕も頑張っていきたい」と決意を新たにした。【村上幸将】