<J1:新潟1-2鹿島>◇第31節◇2日◇デンカS

 3位鹿島が逆転で11位新潟を下し、優勝争いに踏みとどまった。前半は運動量に勝る新潟に圧倒され、43分に先制点を献上。1点ビハインドの後半7分、トニーニョ・セレーゾ監督がMFカイオ(20)とMF中村充孝(24)を同時投入し、勝負に出た。これが当たる。

 カイオが相手守備をかく乱し、中村が出場10分後に同点弾を奪った。MF小笠原の右FKをファーサイドで待ち受け、右足ダイレクトボレーでゴール右に流し込んだ。

 3試合ぶりの今季2点目に「常に得点を求められているので良かった。ブロックに行こうか迷ったけど、やっぱり外で待っていたら(小笠原)満男さんが狙ってくれた。難しくなかった」と、難易度の高いシュートを涼しい顔で振り返った。

 さらに41分、日本代表の右サイドバック西大伍(27)が逆転弾を決めた。中央からこぼれたボールを拾うと、正面にいた相手DFの股を狙って右足を振り抜く。これがGK守田の右手をはじき飛ばし、グラウンダーでゴール左に突き刺さった。

 引き分けなら優勝の可能性が消えかけた一戦で起死回生の1発を奪い「狙い通りのコースだけど、後半は多くのチャンスがあった中、決めたのが僕だっただけ。残り3試合、優勝に必要なのは気持ちだし、個人的には優勝したことないので、逆転したい」と意欲を見せた。

 これまでリーグ戦の通算対戦成績が7勝7分け7敗と五分の難敵だったが、振り切った。これで翌3日に横浜戦がある首位浦和との勝ち点差は暫定4差。強力なプレッシャーをかけた。