緊急事態にエースは強行出場も辞さず。左太もも裏の筋挫傷で2日の川崎F戦を欠場したコンサドーレ札幌のFWダビ(24)が3日、5日のアウェー東京戦への出場を熱望した。この日、3月30日の柏戦で左足を痛めて以来4日ぶりにランニングを再開。GK高木が出場停止、主将のMF芳賀も左足首のねんざで出場は微妙だ。チームの危機も驚異的な回復力で次節の復帰を目指す。

 長期離脱も懸念された男がピッチに戻ってきた。前夜は先発どころかベンチ入りからも外れ、この日の練習も危ぶまれたダビが、ゆっくりと芝生を歩き始めた。確かめるように2周すると、ゆっくり走りだした。速度を抑えながらグラウンドを3周。チーム内でも次節の東京戦は絶望的、復帰は早くても12日の磐田戦とみられていた。

 ダビ

 今日、走っても痛くはなかったよ。とにかく試合に出たいんだ。出場は監督の決めることだけど。チームのために、早く出場することだけを考えている。痛めたときはかなりひどかったけど、もうかなり良い状況だと思う。

 通常ならば自宅から練習場まで自転車通勤するが、この日はタクシーを使った。出場することだけを考え、大事をとった。三浦監督は「ダビはかなり良いようです。痛みもない。(東京戦の出場は)明日の練習次第」と出場の可能性があることを示唆した。

 前夜の川崎F戦でチームは痛手を受けた。試合終了間際にボランチの芳賀が左足首を負傷、守護神の高木は一発退場で東京戦は出場停止になった。この日、芳賀は足を引きずりながら練習場を訪れるも、ピッチに出ることはなかった。そこに加えてダビが2戦連続欠場となると、状況はさらに厳しくなる。

 ダビ

 明日の練習はさらにハードにスピードをアップするつもり。痛みが出ないように祈るよ。今、チームから離れたくない。

 柏戦のリーグ戦初勝利で乗りかけたリズムが川崎F戦の完敗で止まった。今、チームに必要な男が誰なのか―。ダビ自身が知り抜いている。【上野耕太郎】