<J2:仙台1-1広島>◇第30節◇10日◇ユアスタ

 J2仙台は3ボランチで首位広島に挑んだが、1-1のドロー。5戦連続ドローのクラブ記録をつくった。

 非公開練習で連係を磨いた新システムも、首位チームには効かなかった。前半こそ富田、斉藤、千葉の3ボランチと、最終ラインの4人が二重の壁をつくり、ゴールを死守。0-0で折り返し、さあ後半勝負-。だがそのシナリオを、現在得点王のFW佐藤寿に崩された。

 後半16分、一瞬のすきを突いて佐藤寿が、DFの背後に飛び出す。ゴール左隅へ転がるボールを、GK林は目で追うしかなかった。後半25分に、右鎖骨骨折から復帰したMF菅井がこぼれ球を詰め同点に追いついたが、勝ち越すまでには至らなかった。

 指揮官が施した奇策も、敵将ペドロビッチ監督からエールを送られるだけのものでしかなかった。「2日ほど非公開練習をしてもサッカーが変わる魔法はない。これまでと同じ戦い方に見えた。次の山形には勝てるだろう」。キャンプから温めてきた3ボランチを鼻で笑われる始末だった。

 「相手のポゼッションのうまさは群を抜いている。今回は相手の良さを消す、特別なやり方」と手倉森監督。カウンターを狙いFWナジソンと中島のスピードにかけたが不発。5連続ドローに「勝ち点10を失った。でも負けがないことを前向きにとらえる」と指揮官。残り試合は14試合しかない。【山崎安昭】