今季で42歳を迎えるJ1磐田FW中山雅史(41)が21日、16年目のJリーグに向けて本格始動した。若手組の自主トレに参加し、ベテランながら先陣を切ってメニューをこなした。昨季は公式戦全試合にベンチ入りしたが、リーグ戦の先発出場は1試合にとどまった。今オフには年俸も50%減を提示されるなど、自身にとって満足のいくシーズンを過ごせなかったが、新シーズンに向けて、挑戦者の気持ちで若手に負けじと意欲を見せた。

 20歳前後の若手選手を尻目に、1人追い込む中山の姿があった。「若手合同自主トレなんだから、若手が前へ行けよ!」と言いながらも、先頭に立ってアップを開始した。10人が参加した合同自主トレで、誰よりも声を出し、誰よりも走った。「1人でやるよりもいい。若くて生きのいい選手がいっぱいいる」。自身にとってJ16年目となるシーズンに向けて、J1最年長FWに迷いはなかった。

 チャレンジ精神をかき立てられた。昨季のリーグ戦出場時間数は、過去15年で自身最少となる327分だった。全試合にメンバー入りをしながらも、先発出場1、途中出場15試合にとどまった。J1での、16年連続ゴールの記録更新もかかるが、「結果を残すことによって時間数を増やしていく。(柳下)監督も『調子のいい選手を使っていく』と言っている。挑戦者として頑張っていく」と、新シーズンに向けて決意を語った。

 昨季はチームがJ1残留争いをしたが「誰かがやってくれるという気持ちがあれば、ああいう状況(残留争い)にまでいってしまう。自分たちが行動をおこして取り組んでいけば、チームに活気が出てくる」。この日、自ら若手を鼓舞し、雰囲気を盛り上げた。

 今年9月で42歳を迎える。今季の契約にまだサインはしていないが「ここでやるつもりでいる」と明言。「けがせず、シーズンを通してチームの力になれればいい」。磐田「ゴン中山」の挑戦が始まった。【栗田成芳】