<練習試合:湘南4-3清水>◇7日◇三保グラウンド

 清水は湘南との練習試合で3-4で敗れはしたが、1本目に先発出場したFW永井雄一郎(29)が随所で存在感を見せた。

 FW永井が、集まった1400人の観客の目を独り占めした。開始2分、中央でボールを受けると相手DFを1トラップでかわし、あいさつ代わりのミドルシュートを放つ。同17分、右サイドのDF市川からのクロスに相手DFと競り合いながらも右足を伸ばし決定機を演出。さらに同19分、中央で左足を振り抜き、この日3本目のシュートを放った。いずれも得点には結びつかなかったが、スタンドからは1プレーごとに歓声と拍手がわき起こった。

 右ふくらはぎ痛が完治せず、30分間の限定出場だったが、表情は明るかった。「シュートまでいけたことは、今の段階では十分」と上々の出来に笑顔を見せた。始動初日(1月26日)から、まさかのリタイアなど、ここまでの調整には苦しんできた。それでも「焦りはない」と繰り返してきた、ストライカーがプレーで証明してみせた。長谷川監督は「やっぱり、いいっすね。持ってるものは持ってる」とあらためて高評価した。

 8日からは、鹿児島でキャンプがスタートする。永井は「もう少し、相手DFがボールを持ったときに、けん制する動きが必要」とキャンプでの課題を挙げた。清水のエースナンバー9を背負った天才ドリブラーが、徐々にペースをつかんできた。【為田聡史】