<練習試合:G大阪1-1横浜FC>◇20日◇宮崎・綾町

 横浜FCのFWカズ(三浦知良=41)が昨季アジア王者のG大阪相手に「今季初ゴール」を決めた。後半42分に同点弾を決めて、1-1のドローに持ち込んだ。テクニックはさび付くどころか、切れ味たっぷり。右からのクロスを胸トラップし、切り返しで元韓国代表DFパク・ドンヒョクをかわす。左足でゴール左隅にねじ込んだ。練習試合とはいえ、昨季アジア王者相手のゴールだ。約1500人の観衆から、この日一番の拍手が起きた。

 G大阪から「主役」を奪った。大勢の報道陣に囲まれ、「みんなガンバを見に来てたんだよね。来週、ゼロックス(杯)だもんね」と笑わせた。「ちょっと高い球だったんで、ボレーで打っても難しいかなと思ってね。キックフェイントをしたらひっかかるんじゃないかとね」。41歳で、細かな駆け引きに体がついていくのはさすがだ。

 この日は左MFで後半14分からの出場。センターバックは日本代表DF高木とパクという「日韓代表の壁」だった。「引き分けは収穫が多いよ。アジアNO・1監督(西野監督)の前でいいプレーができてよかった」と充実感が漂った。07、08年の開幕はオーバーペースから故障欠場。今季は時にペースを落としながら、好調を維持している。

 今月26日で42歳。3月8日の開幕湘南戦に出場すれば、ラモスが持つJリーグ最年長記録を更新する。「FW以外が点を取ることでチーム力も上がるからね」。チームをJ1へ引き上げるためにも、日本のサッカー界のためにも、今年もキングカズは走り続ける。【北村泰彦】