直接FKをねじ込んで、開幕へ勢いづける!

 高精度キッカーがそろうJ1山形は28日、キャンプ最後の練習試合をJ2仙台と行う。MF古橋達弥(28)らの加入で、直接FKでのゴールが期待できるモンテ戦士が、総勢7人に膨れあがった。小林伸二監督(48)はFKを大きな武器と考えている。J1定着の命運を握りそうな「FKセブン」が、最終調整の試合で1発たたき込む。

 敵を倒す一撃を決める。それが「FKセブン」に課せられた任務だ。隊員のリーダーMF宮沢は、FKが決まった時の効果について熱く語った。「(試合の)流れが変わる。たとえこぼれても、それを決めればムードが変わるんです」。初挑戦のJ1では、守備に追われる時間が長く、攻撃機会は少ないことを覚悟する必要がある-。そう読むリーダーは、FKが最高の得点源ととらえた。

 とりわけDF石川は、FKセブン隊の大黒柱。ゴールを狙える範囲が広く、シュートの速さや軌道も豊富だ。昨季、直接決めたのは1発のみだが「狙えるところで(味方がファウルを)ほとんど取れなかった」(石川)のが原因で、その精度に何ら問題はない。

 FKでのゴールが増える予感を、25日の広島戦後に指揮官が口にした。「いいのを蹴れる選手が増えた」と古橋、FWジャジャ、MFアンドレ・シルバら新隊員の名を挙げた小林監督。この試合では、ペナルティーエリア付近で細かいパスをつなぐ間に、ファウルをもらう場面が多かった。直接狙える機会が増える手応えを指揮官はつかんだ。

 ここまで練習試合8戦を行ったが「FKセブン」のさく裂弾はまだない。「オレが1番に決める」と言わんばかりに、ジャジャとアンドレは連日FKを蹴っている。1週間後の開幕へ弾みを付けるため、また中村俊輔ばりに「FK達人」としてサポーターのハートをつかむ絶好のチャンスだ。新隊員3人が加わった「FKセブン」が、最終調整のゲームで一撃を食らわす。【山崎安昭】