<J1:鹿島2-0千葉>◇第9節◇2日◇フクアリ

 鹿島は2-0で千葉を完封。勝ち点20で並ぶ2位浦和とは、得失点差2で首位の座をキープした。

 休養や故障で主力が欠けても、王者は王者だった。鹿島がオリベイラ監督の「省エネ起用術」が的中し、手堅く白星をつかみ首位をキープした。「出た選手が当たり前のことを当たり前にやってくれた」。指揮官は自信満々で振り返った。

 疲労のDF内田が休養し、エースFWマルキーニョスは右足内転筋故障のためベンチ外。主力DF伊野波もベンチスタートでも力の差を見せつけた。前半15分、相手DFのクリアミスを拾ったMF野沢が冷静に先制ゴール。「ウチは誰が出てもカバーできる」と余裕の表情を浮かべた。

 試合のペースを握ると、古傷の右足首に痛みを訴えたDF岩政を前半のみで伊野波に交代。伊野波も今季リーグ戦初先発のベテランDF大岩と好連係を見せ完封に貢献した。鈴木満強化部長も「岩政を休ませたのは大きい」と評価した。

 5日にはアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のヤマ場、ホーム水原戦が控える。23日間で7試合を消化する過密日程の中で主力に休養を与えつつ勝てたことは大きい。後半5分にPKで追加点を奪ったMF小笠原が「うちは誰か1人に頼るサッカーをしてない」と話せば、FW興梠も「誰かが欠けて負けたと言われたくない」。選手個々のプライドが厚い選手層を支えている。

 「内田は疲労がある。今回1度休ませた。FWは興梠も田代も大迫もいる。新井場も右DFができる」とオリベイラ監督。指揮官の信頼に選手が応える-。最高の流れで強敵水原戦に臨む。【菅家大輔】