東北サッカー界の発展に、モンテディオが立ち上がる!?

 J1山形の海保宣生理事長(67)が5月31日、選手強化のために、教育リーグ(L)新設の私案を語った。Jリーグは早ければ来年にも「1クラブ25人制」を実施し、現在のサテライトリーグを廃止する。選手の実戦経験の場が減る可能性がある。東北のJFLや地域リーグに所属するクラブなどと連携し、東北全体での教育Lの実現が可能か、模索している。

 「もしも」に備え頭の中に準備していた。「現場の意見を聞いてから」と前置きした上で、海保理事長は「サテライトがなくなった場合の補完は、しっかり考えないといけない。実戦を積んでこそ選手は成長する」と語った。私案として温めているのが「東北教育リーグ」だ。

 自チームの強化以外に、同理事長の夢が青写真に描かれていた。「(新潟や仙台など)近県のJクラブだけでなく、JFLや地域リーグと協力もできる。そうして強くなってJに上がれば東北が活性化する」。秋田や福島のクラブも巻き込み、地域の底上げを狙う。

 若手の出場機会を増やすため、所属選手を25人に制限するJリーグの改革案に、同理事長は反対だという。「各クラブが5人の選手を切り、これから獲得しようという動きも制限がでる。雇用の問題だ」とデメリットを強調。それでも、いざ実施の場合に備え、準備は必要だ。

 「ユースや大学も入れて地域密度の濃いリーグを組むのもいいじゃない」と同理事長。「25人制」実施の場合には新潟、仙台などとトップ会談を設ける構えだ。「九州は(教育Lが)あるんだよね。東北各地で、Jでダービーをやれれば盛り上がる」。日本サッカー界の、勢力図の塗り替えプランを、モンテのトップは持っている。【山崎安昭】