<ナビスコ杯:清水2-1神戸>◇7日◇予選リーグB組◇ホムスタ

 J1清水が神戸に2-1で競り勝ち、J最速でナビスコ杯予選突破を決めた。試合開始39秒に先制されるも、前半36分、FW原一樹(24)が2戦連続弾で同点とし、後半32分、再びドリブルで起点となり、FWフローデ・ヨンセン(35)の勝ち越し弾を演出して逆転した。

 どうしてもゴールが欲しかった。試合開始早々、DF辻尾が与えたPKで先制された。重苦しいムードを、またしても原が振り払った。MF兵働からのパスを受けると、得意のドリブル突破で相手ゴール前に進入。「(辻尾とは)いつも仲良くやってる。何がなんでも点を取りたかった」と、右足を豪快に振り抜き、2試合連続となる同点弾で流れを引き寄せた。

 前夜、日本をW杯進出に導く決勝点を決めた日本代表FW岡崎の活躍にも刺激を受けた。「ワンチャンスを決める勝負強さがあるし、大舞台でも堂々としている。興奮して、なかなか寝つけなかった」。テレビの中で躍動するチームメートの姿に、くぎ付けになった。「9割は祝福している。でも1割は悔しさもある。オカ(岡崎)の方が年下だけど見習うところは、たくさんある」と素直な心境を話した。

 ヨンセンの退場処分で数的不利となった終盤は、神戸に押し込まれる時間が続いた。それでも、再三のスーパーセーブを見せたGK山本海を中心に1点のリードを守りきり、予選リーグ最終戦(対東京)を残し2年連続の予選突破を決めた。長谷川監督は「一樹は辻尾と仲良しだからね。オカの活躍もチームの刺激になっている」。チーム内の絆(きずな)で勝ち取った、今季初の逆転勝利だった。【為田聡史】