右臀部(でんぶ)痛で日本代表を離脱した浦和MF山田直輝(18)が、ナビスコ杯決勝トーナメント進出の「切り札」になる。同杯予選リーグ最終節が13日に各地で行われ、浦和はホーム(埼玉)で大宮との「さいたまダービー」に臨む。別メニュー調整が続いていた山田直は12日、チーム練習に完全合流。紅白戦に出場するなど回復ぶりを首脳陣に披露して、ベンチ入りが確定した。

 田中達やポンテら主力に多数のけが人を抱える上に、都築と闘莉王、阿部も日本代表招集で不在。本来なら、5月27日のキリン杯チリ戦以来実戦から離れている山田直の復帰は、慎重にしたいところだが、フィンケ監督は「多くの選手が離脱している。場合によってはリスクを負って、直輝を使わざるを得ない」と苦渋の決断をした。

 現在予選リーグA組3位の浦和が、自力で決勝トーナメントに進出するには大宮に勝つしかない。勝ち点1差で首位の横浜、勝ち点10で並ぶ広島には得失点差をつけられているだけに、山田直は「体と心の準備は100%できています。どんな試合も勝つつもりでやってますし、気持ちが枯れることはないです」と闘志満々。若き司令塔が、予選突破へスクランブル態勢を整えた。