<J1:磐田1-1横浜>◇第19節◇26日◇ヤマハ

 磐田の韓国代表FWイ・グノ(24)が、復帰戦でゴールを決めて、再び「救世主」に名乗りを上げた。前半6分、スルーパスに飛び出し、右足で先制ゴールを奪った。後半に横浜に追いつかれ、1-1の引き分けに終わったが、戻ってきたエースは温かい拍手で迎えられた。イは今季開幕から8戦6発でチームをけん引しながら、欧州移籍のため6月に一時退団。しかし、移籍が成立せず、異例の出戻りで19日に再来日したばかりだった。

 Jの空気に順応するには、わずか6分間で十分だった。前半6分、磐田のFWイがDF山本脩のスルーパスに抜け出した。フェイントを入れ、鋭く縦に切り返し、走った。相手DFを尻目に、滑り込みながら右つま先で先制点を決めた。5月24日の名古屋戦以来2カ月ぶりの出場で、いきなりゴール。「パスが素晴らしかった。その過程が得点へとつながった」。驚異的な決定力は健在だった。

 4月に磐田加入後、8戦6得点4アシストの大活躍で、下位に低迷するチームの救世主になった。しかし、韓国代表に合流中の6月にフランスリーグ1部のパリSGから獲得オファーを受けて移籍を決断。磐田を退団した。念願の欧州でのプレーだったが、最終交渉が難航。7月中旬に磐田に再オファーを受け、悩んだ末に「早くサッカーがしたかった。磐田が常に自分に関心を持ってくれた」と、異例の1カ月での復帰を決断した。

 19日に再来日。イの再スタートは「ゴメンナサイ」の一言からだった。「混乱を招いた」と選手たちに頭を下げた。温かく迎えてくれた同僚たちへの恩返しを誓い翌20日から練習を再開。オフにも練習場で汗を流した。この日は「焦りはあった。だから体もついていかなかった」。それでも後半34分に交代するまで、足を止めることはなかった。

 試合前にはサポーターからも温かい拍手で迎えられた。試合は後半に失点して引き分けに終わったが、後半戦へ向けて戻ってきた救世主への期待は高まった。「今までのことを忘れて、1つのことに集中できるから幸せです」。2度目のJデビューでイの快進撃が再び始まった。【栗田成芳】