リーグ戦5連敗中で7位に後退した浦和のフォルカー・フィンケ監督(61)が「闘将温存」の苦肉の策で、上位戦線生き残りをかける。22日のアウェー(広島ビ)の広島戦に向けて、21日のさいたま市内での練習後、腹直筋痛を抱える日本代表DF田中マルクス闘莉王(28)のベンチスタートを決断した。症状悪化の危険を最小限に抑えつつ、試合終盤に得点源として「前線」に投入するプラン。攻守の大黒柱をスタメンで欠くリスクを覚悟の采配で、連敗脱出を図る。
まさに苦渋の決断だった。フィンケ監督は、19日の前節柏戦後から闘莉王と医療スタッフを交えて、症状や今後の調整法を確認してきた。だが、試合を翌日に控えたこの日、回復状況が思わしくないと判断。チーム練習に合流させず、クラブハウス内での治療を優先させた。「センターバックでの先発起用はない。中盤の選手として投入することは考えている」と腹をくくった。
連敗中の苦境にあって、闘莉王のことは精神的支柱としても期待している。だが、7月18日大分戦(九石ド)で負傷した腹直筋は快方に向かっているとはいえ、油断できない。闘莉王が「納得してません」と、センターバックとしてフル出場の気構えを示しても、主力の相次ぐ離脱に苦しむ同監督は「いつ完治するのか、今の時点で言うのは難しい」と慎重だった。
15日のG大阪戦では後半17分から右MFとして復帰させた。19日の柏戦ではDF坪井の出場停止を受けて、半ば「見切り発車」的に先発起用し、闘莉王は公式戦518分ぶりとなるゴールを奪った。しかし、チームは4失点で大敗し、02年以来7季ぶりとなる5連敗を喫した。
16年間指揮したフライブルクでも「5連敗は記憶にない」というフィンケ監督。広島に敗れれば、他会場の結果次第では9位に転落する。「1番いいのは、闘莉王を起用せずに勝つこと。2番目には、後半25~30分にプレーして、彼の決定的なゴールで引き分けまたは勝ち、同時にケガが悪化しないことだ」。勝負どころでの闘将投入プランで、連敗脱出をかける。【山下健二郎】



