浦和の柱谷幸一ゼネラルマネジャー(GM=48)が、3季連続無冠の低迷脱出を目指す今季、チームに「3冠奪取」を厳命した。8日、さいたま市内のクラブハウスで就任会見に臨み「Jリーグ、ナビスコ杯、天皇杯で勝つことが目標。ACLの出場権を獲得できるようにしようと。明確な目標で結果を求めていきたい」と宣言。既に年明け4、5日の2日間で計10時間、フィンケ監督と会談し「結果と内容とフェアプレーにこだわってやっていこう」と方向性を確認し合った。

 昨季はあえて「優勝」の2文字を封印し、選手の世代交代とパスサッカーへの移行という「土台づくり」を優先した浦和。原口や山田直ら若手の台頭など収穫があった一方、選手たちは順位や勝ち点数といった具体的な目標を見失いがちで、夏場に7連敗を喫するなどリーグ6位に終わった。「3冠」のハードルは高いが、柱谷GMは「レッズの選手は十分に力を持っている」とタイトル獲得への一体感が何より必要と感じた。

 柱谷GMの契約期間は、今月1日から11年1月末までの13カ月だが、橋本社長は「GMが頻繁に代わるのはよくない」と長期的な視野で手腕を発揮してもらう考え。これまで事実上、社長の専任事項だった監督の人事権を委譲。フィンケ監督は現場に専念し、選手契約やスカウティングなど編成部門の権限はGMに集中する。【山下健二郎】