ゴンがJ1昇格への誓いを立てた。コンサドーレ札幌に今季加入したFW中山雅史(42)が、13日のメディカルチェックのため12日、来札した。この日はテレビ全6局のインタビューを受けるなど、メディア対応をこなした。J1復帰を狙う今季、磐田時代の93年に昇格争いをした経験を交え、個々の自覚と強い意志で戦い続ける姿勢を説いた。若いチームを高いテンションで引っ張り、目標を成し遂げにいく。

 熱い気持ちがなければ、J1復帰は果たせない。中山が自身の経験を交え、札幌の若い選手に昇格争いを勝ち抜くためのメッセージを送った。

 中山

 1試合1試合が勝負になる。それを日々の練習でいかに反映できるか。人がどうこうじゃなく、自分たちがどう戦うか。強くなっていくことが必要だし、それを自覚してやっていけるか。だれ1人、その気持ちが欠けてもダメだから。

 93年、当時旧JFLの磐田でJ昇格を争った。リーグ2位タイの18点を挙げる活躍で、2位へと導き念願は果たした。厳しい戦いの連続は、しっかり脳裏に残っている。「いいことばかりじゃない。それをどう戦い抜くかのすべが必要だから」。その経験は、昨季6位に終わったチームに、余すところなく注ぐ構えだ。

 ヤマハ時代を含め、磐田一筋で20年プレー。初めての移籍先は、30代の選手すら3人しかいない若い札幌になる。「どう接すればいいかと思うけど、テンションは高めに行くべきだろうと」。数々の大舞台を踏んだカリスマ性だけに頼るつもりはない。持ち前の明るいキャラクターで自ら歩み寄り、融和を図りながら、チームを鼓舞していく。

 「札幌を盛り上げたい」という思いは、ピッチ内外で体現していく。この日は道内のテレビ全6局のインタビューなど、3時間を超える取材を受けた。広報担当が「疲れてると思います。すべて目いっぱいでやるんで」と話すように、手抜きすることなく、すべての質問に全力で答えた。「関心を寄せてもらうことがコンサドーレの力になれば、それが一番だから」。チームのために身を粉にすることはいとわない。

 全国各地から伝わる声援と、この日の道民の反応に、期待の高さは十分に感じた。「ありがたいことだから。力に変えていって、シーズン最後を笑顔で迎えられたら」。目標達成をそうはっきりと誓った。【砂田秀人】