J1仙台が31日開幕のナビスコ杯で、底上げ目的のターンオーバー制を導入する。予選リーグ第1節のアウェー新潟戦(東北電ス)で、28日のリーグG大阪戦から先発6人を入れ替える。MF太田吉彰(26)DF鎌田次郎(24)ら新加入選手が公式戦に移籍初先発。手倉森誠監督(42)は「リーグ戦で使ってない選手で勝ちに行く。どれだけやれるか楽しみ」と期待した。

 J2時代は参加できなかったナビスコ杯が、ベガルタのチーム内競争を激化させる。指揮官の顔は、自信に満ちあふれていた。

 手倉森監督

 過去のカップ戦で温存を図るチームもあったけど、うちは違う。今年の仙台は誰が出ても勝てる。宝の持ち腐れにならないよう、入れ替えても勝って「メンバーを落とした」なんて言わせない。

 その期待を背負い、今季新加入組が移籍初先発する。元日本代表ながら、リーグ戦で出場23分(3試合)に甘んじるMF太田は「出てない選手は勝利という結果を残すしかない」と燃える。4月4日のリーグ鹿島戦も見据え、もう1枚のサイドハーフは梁と関口が交代で務める。温存と競争の二兎(にと)を得る腹づもりだ。

 DF鎌田、MF高橋もそろって移籍初先発が濃厚。鎌田が「累積警告とか考えて、しっかりアピールして勝ちたい」と言えば、今季出番のないMF斉藤と定位置を争う高橋も「(千葉)直樹さんから『頑張れ』と言われたし、チームの勢いを止めたくない」。20日の京都戦で負傷退場したDF菅井、28日のG大阪戦で控えに回ったFW中島も先発復帰する。加入2年目のGK桜井も初先発。至る所で活性化が起こりそうだ。

 目標を「決勝トーナメント進出」と定めた手倉森監督。その上で「メンバーを替えて、リーグ戦とカップ戦で弾みをつけ合えれば」と相乗効果に期待している。【木下淳】