<ナビスコ杯:横浜1-0山形>◇31日◇1次リーグB組◇ニッパ球

 山形が3月は白星なしで終わった。

 サポーターがJ開幕で見たかっただろう顔ぶれで、山形はナビスコ杯開幕を迎えた。この試合の先発に、FW田代有三(27)、移籍初スタメンのMF増田誓志(25)、下村東美(29)の補強メンバーが初めて名を連ねる。キャンプ中に、チームへフィットしきれず、田代以外はここまで、ベンチスタート。今季リーグ2分け2敗の苦境から救いたい-そんな気持ちを増田と下村が、ピッチで表現する。

 ボランチ下村が、高い位置で果敢にパスカット。何度もカウンター攻撃につなげれば、左サイドハーフ増田は中央に潜り込んでスルーパス、サイドから柔らかいクロスをゴール前へ供給。ゴールにこそつながらなかったが、リーグ戦ではなかなかつくれない攻撃の時間帯を、前半は長くキープした。この2人のプレーに、周囲も刺激を受けた形だ。

 だが後半「あの男」が途中出場すると、流れが一気に変わる。12分、ベンチスタートの横浜MF中村がピッチに投入されると、一転して防戦の時間が続いた。26分、耐えしのいでいた守備がついに決壊。中村のCKにDF中沢が、頭で合わせ先制点を決められた。

 「勝って4月を迎えたい」と話していた小林監督は、勝負をあきらめない。FWキム・クナンに、移籍初出場となるFWハン・ドンウォンを投入し前線に厚みをつけるが、1点が遠かった。

 白星なく3月を終えたが、小林監督は前向きだ。「最後のクロスの精度や、中に人が入るなら、そこにクロスを入れるとか整理されると、もっとダイナミックになると思う」。形はできはじめているからこそ、結果が伴わないストレスはある。だが、チームの完成度が増しているのは、確かだ。この日、5人の選手を今季初先発させ「ずいぶんやってくれた」と評価した指揮官。リーグ戦での初勝利につながるはずの「チーム内競争」が、4月の巻き返しを起こすはずだ。【山崎安昭】