鹿島FW興梠慎三(23)が胸に秘めた悔しさを右足に込めた。1点ビハインドの前半39分。興梠が点取り屋の才覚を発揮した。MF小笠原のミドルシュートを相手GKがはじいたところにつめ、値千金の同点弾。「セルビア戦の悔しさがあった。点を取れてよかった」と振り返った。

 代表初先発となった7日のセルビア戦は、前半のみで交代。「(選手全員が)岡田監督から代表のことは忘れろと言われたけど、忘れられなかった。ストレスはあった。自分のプレーを出せなかった。もっとシュートを打てたかも、貪欲(どんよく)に点を取りにいけば、とも思ったし。だから今日は自分を出したかった」。苦しい展開でも序盤から東京守備陣に持ち前の速さで驚異を与え続けた。

 視察した岡田監督から「悪くはなかった。よかった」と評されたリーグ戦2試合連続となる一撃にも満足はしていない。「今日の得点はラッキーだった。(小笠原)満男さんのシュートが自分のところに転がってきただけ。鹿島は同点で満足するクラブじゃないから」。5月中旬のW杯メンバー発表まで残り1カ月。鹿島の勝利に貢献し続けることが代表への近道だと分かっている。「まずは鹿島で結果を残したい」。積み重ねた結果の先に世界の舞台がある。【菅家大輔】