<ナビスコ杯:山形3-0湘南>◇5日◇1次リーグ◇B組◇NDスタ

 山形が湘南を3-0で破り、暫定ながらB組首位、初の決勝トーナメント(T)進出を大きく引き寄せた。前半7分、FW田代有三(27)が2戦連発となる先制点で口火を切り、2-0の後半ロスタイムには、MF増田誓志(24)の直接FK弾が決まり、今季最多得点で快勝した。J1公式戦3連勝は2度目。

 新緑の山並みが見下ろすNDスタ。そのピッチ上に「青い山」が、出来上がった。後半ロスタイム、ゴール正面、約20メートル地点でのFKチャンスを増田がキッチリ決めた。「力が入ると(ボールが)浮くことが多いので、気持ちゆっくりのイメージでした」。ワンステップで蹴り上げたボールは、弧を描きゴール右隅へ。プロ初の直接FK弾で、移籍初ゴールを決めた背番号8は、仲間が次々乗り上がる山の中で、笑顔だった。

 今季鹿島から移籍したMF増田は、期待の新戦力として大きな期待を集めた。だが、故障や戦術理解の遅れで、力を発揮できない。「1対1が得意でない」(増田)。守備を重視する小林監督はキャンプ中「増田の取り扱い方がわからん」と、頭を悩ました。

 本来守備力が求められるボランチだが、増田の攻撃力を生かす手はないか-。監督の思いが、5月中旬からの新システムの試行錯誤につながった。最初から高い位置に置く形で「増田が機能する。今日も低いところに行かず、高い位置をキープできていた」(同監督)と1ゴール1アシストのヒーローをたたえた。

 「練習してないんで、まぐれシュートです」。自らのゴールで、得失点差で首位に引き上げたが、増田に笑顔はない。“ミスターストイック”は「流れの中で点を取らないと、納得できない。首位も関係ない。決勝Tに行くには次、勝つしかない」。コメントとは裏腹に上げ潮状態のキーマンが、磐田戦(9日)勝利に導く。【山崎安昭】