<J1:横浜1-0G大阪>◇第14節◇24日◇日産ス

 横浜の17歳のFW小野裕二が、J初先発で劇的な決勝アシストを決めた。前節広島戦でクラブ最年少出場記録を更新した新星は、G大阪戦で初先発に抜てきされ、両チーム無得点で迎えた後半ロスタイム、DF天野貴史(24)の決勝弾を呼び込む絶妙のアシストでチームを1-0の勝利に導いた。司令塔のMF中村俊輔(32)もその攻撃センスを絶賛した。

 息詰まるような一進一退の攻防が続いた後半ロスタイム。小野はペナルティーエリア近くでMF中村の縦パスを受けた。そのままスピードに乗ってドリブルを仕掛け、エリア内に侵入。DFをギリギリまで自分に引きつけると、右後方から駆け上がってきた天野に左足でラストパス。天野のシュートはそのままゴールに突き刺さった。トップチームに昇格してわずか1週間の高校3年生が華麗に演出した決勝弾に、スタンドが沸いた。

 強欲にゴールを狙い続けた積極性が決勝アシストにつながった。シュートは両チーム最多の5本。ポスト直撃の惜しいシュートやロングシュートも放った。決勝点の場面で、相手DFが小野に引きつけられたのは、何よりもシュートを警戒したから。小野は「試合を通してどんどんシュートを打とうと心がけた。だからああいう結果になったと思う」と振り返った。

 司令塔の中村も「どんどん仕掛けていくところがいい」と攻撃センスを高く評価した。身長は170センチと決して高くないが「サイズが小さい分だけ、逆に相手が合わせにくそう」と言い、「ドリブルのリズムも独特なので止めにくいと思う」とも話した。小野は、あこがれの選手がイングランド代表FWルーニーと言うように、ドリブル突破とDFラインの裏に抜け出すスピードが武器。持ち味を最大限に引き出そうと、中村も浮き球やスルーパス、ロングパスなどさまざまな形のパスを小野に出し続けた。

 木村監督も脱帽の様子だった。決勝点の場面を振り返り「ああいうところですごいプレーするよね。本当に17歳だっけ?」と秘蔵っ子の活躍に目を細めた。褒められた小野だが、チームの勝利に貢献したことに満足しつつも「次は絶対にゴールを入れないといけない」と反省は忘れなかった。【松田秀彦】