<J1:清水2-1鹿島>◇第17節◇7日◇アウスタ
清水が長谷川健太監督(44)の采配がズバリ的中し、3連覇中の鹿島との首位攻防を制した。前半37分にFW藤本がPKを決めて先制。後半13分に同点に追いつかれたが、MF小野に代わって途中出場したMF枝村が、出場1分後の後半29分に決勝点を決め、勝利を呼び込んだ。鹿島を勝ち点2差上回り、5節ぶりの首位に返り咲いて前半戦を折り返した。
狙い通りだった。同点で迎えた後半28分。長谷川監督は、まだ余力が残るMF小野に代えMF枝村をピッチに送り込んだ。MF枝村に「おまえを入れるということは、どういうことかわかっているだろうな」と、ベンチ前で語りかけた。投入からわずか1分後。MF兵働の左クロスを中央のFW岡崎が胸で落とし、2列目からMF枝村が走りこみ、相手がクリアしかけたボールを体ごと押し込んだ。
決勝点に絡んだ3人は、長谷川監督が就任した05年の新入団選手で、いわば“健太チルドレン”だ。同じ指揮官の下で6年目に突入しただけあって、お互いの理解度は極めて高い。MF兵働が「エダ(枝村)を入れたということで、中盤が4枚になったから『サイドを使え』ということ」と話せば、MF枝村は「点を取りに行くだけで。やるべきことは、はっきりしていた」。交代と同時にシステムを4-3-3から4-4-2にチェンジ。満員に埋まったスタジアムの大歓声の中でも、指揮官からの無言の指示は選手たちに、しっかりと伝わった。
5年間の蓄積だけではなく、新たな取り組みも取り入れている。今季から夏場のナイター開催のときは試合当日の“2部練習”を敢行している。スタジアム入りの前に、練習場で約20分間のジョギング。ひと汗かくことで「よりよいコンディションでプレーできる」(長谷川監督)。
王者鹿島との直接対決を制し、クラブ史上初の「首位ターン」に成功した。長谷川監督は「鹿島を倒して首位に立ったというのは大きな結果。だけど去年は残り6節の時点で首位に立ちながら5連敗でボロボロだった。いかにスキを見せないかが大事。まだまだですよ」。確かな自信が芽生えても慢心だけはない。【為田聡史】



