背番号10が“御前試合”で逆転五輪切符へのアピールを狙う。22日、11月のアジア大会(中国・広州)に出場するU-21日本代表が日本協会から発表された。Jリーグ終盤戦と重なり、大学生中心の編成となったこともあって、コンサドーレ札幌MF宮沢裕樹(21)は選出されなかったが、23日のアウェー柏戦はA代表アルベルト・ザッケローニ監督(57)ら代表スタッフが視察する予定。自らの得点で首位討ちを果たし12年ロンドン五輪へ向けた巻き返しの舞台にする。

 高さ、パス、シュート力、守備力を併せ持つ万能ストライカー「ミヤザワ」の名をザックの目に焼き付ける。柏戦に向けた22日の紅白戦ではトップ下に入りプレー。FW内村の右クロスをゴール前に飛び込みヘッドで折り返すと、上里のオーバーヘッドシュートにつなげた。

 23日はJ2開催のみ。柏戦が唯一の首都圏開催とありザッケローニ監督らが視察に訪れる。今回はメンバーから外れたが、宮沢は「いいプレーをしてチームの勝ちにもつながれば。目に見える結果を出したい」と5月30日の富山戦以来の得点も視野に入れた。柏のFW工藤らが視察の目的だが主役の座を奪ってしまえばこっちのもの。同監督の意向は今後の五輪代表選考にも影響するだけに、あきらめる時ではない。

 今季はボランチ出場が主体だが「代表ではゴール前での役目が大事」と言う。岡田体制では昨年4月のU-20合宿に参加し、代表指揮官直々に「センスを感じる」と絶賛された。物静かながら光る存在感をザック新体制でも継続して示していく。【永野高輔】